仏教の年中行事

修正会(しゅうしょうえ)/1月
1月1日から7日ごろにつとめられる、お正月の法要のことです。
前年の罪禍を悔い改め、新しい年の門出を祝う行事でもあります。
涅槃会(ねはんえ)/2月
涅槃とは、燃えさかる煩悩の火を打ち消して、悟りの智慧を得たという意味です。
お釈迦さまは、80歳でインドのクシナガラの沙羅双樹のもとで亡くなりました。
仏教では、お釈迦さまの死を単なる死とせず、永遠の真理である悟りの世界に帰られたと、お釈迦さまの徳を偲ぶようになりました。
日本ではこの日を、2月15日として、涅槃会をつとめるようになりました。
彼岸会(ひがんえ)/3月、9月
彼岸とは、この世を離れた彼の岸、すなわち仏の世界の岸のことであります。
つまり迷いの現実界から、理想の世界、悟りの世界へ到ること「到彼岸」が、元来の意味なのです。
春分や秋分の中日には、太陽が真東から出て真西に沈みます。真西に太陽が没するところが極楽浄土であるというところから、これらの日に、この世を超えた彼岸を想い、亡き人を偲んで春、秋に供養しようというのが彼岸法要なのです。
中日をはさんで7日間、家庭でも仏事を営む習慣になっていますが、お仏壇には「牡丹餅」や「お萩」などをお供えします。また、お彼岸には必ずお寺やお墓をお参りする風習が全国的に行われています。
灌仏会(かんぶつえ)/4月
花の咲きかおる春に行う行事なので「花祭り」と呼ばれます。また釈尊降誕会、仏生会ともいわれます。
4月8日は、2,500年前にお釈迦さまがネパ−ルのルンビニという所で生まれた日とされます。
お釈迦さまが生まれ時、甘露の雨が降ったという言い伝えから、花祭りには、花御堂に誕生仏を安置して、上から甘茶をそそいでお祝いする行事が広く行われております。
盂蘭盆会(うらぼんえ)/7月、8月
インドの言葉のウランバ−ナを、中国では漢字で音写して、盂蘭盆と書きました。その省略がお盆なのです。
ウランバ−ナというのは、倒懸(とうけん)といって、逆さづりからの救いを意味しております。
お釈迦さまの弟子の目連(もくれん)が、死んで餓鬼道に落ちた母親をお釈迦さまの教えによって、7月15日に僧侶たちに食物を施し、供養することによって救い出すことができたという言い伝えによるものです。つまり餓鬼道や地獄に落ちて苦しんでいる霊を救うために供養を営むことをいいます。
現在のお盆は、先祖の霊が帰ってくるという日本古来の言い伝えと結びついたものです。
成道会(じょうどうえ)/12月
成道とは、お釈迦さまの悟りのことをさします。
インドの釈迦族の皇子として生まれたお釈迦さまは、29歳の時、それまでの何に不自由ない生活と王宮、家族を捨てて出家しました。そして六年間の厳しい苦行と求道の修行を経て、インドのブッダガヤの菩提樹のもとで、悟りをひらかれたのです。
日本では、この日を12月8日として、成道会がつとめられます。
施餓鬼会(せがきえ)
施餓鬼は、文字通りに、餓鬼をはじめとする悪い死後の世界に墜ちて、飢えや渇きのために苦しんでいる人々に飲食物を施すための法要です。
必ずしもお盆の期間だけに行うものではありません。

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