位牌は、デザインや品質などさまざまな要素を考慮して選びますが、なかでも価格を重要視する方は珍しくありません。
位牌の価格は、素材とサイズ、デザイン、製造工程によって大きく変動します。故人にぴったりな位牌を選ぶためにも、費用に関する基本的な知識を身につけておくことが大切です。
この記事では、東京浅草にある滝田商店が位牌の値段について説明します。
位牌の値段に影響する4つの要素
位牌の値段は、以下の4つの要素によって決まります。
- 素材
- サイズ
- デザイン
- 製造工程
まずは、位牌の値段を決定づける要素についてそれぞれ細かくみていきましょう。
素材
位牌の値段を決定する1つ目の要素は、素材です。良質な素材を使用した位牌は、値段が高くなると考えておきましょう。
木の温もりが感じられる唐木位牌は、黒檀や紫檀と呼ばれる高級な木材を使用しており、素材のグレードに応じて価格が決定されます。
漆を塗り重ね、金粉や蒔絵が施された塗り位牌は、使用している漆の種類によって値段が変動します。また、加飾に使われる金箔や金粉の純度も価格に影響を与える要素のひとつです。
近年はクリスタルやガラスなど、さまざまな素材を使用したモダン位牌が増えてきました。モダン位牌も、基本的には使用している素材の品質が値段を左右します。
サイズ
位牌の値段を決定する2つ目の要素は、サイズです。位牌のサイズが大きくなると、値段も高くなります。
位牌のサイズを示す単位は、「寸(1寸=約3cm)」です。小型の仏壇であれば3.5~4.0寸、中型の仏壇は4.5寸、大型の仏壇は5.0寸以上が目安となります。仏壇に収まり、ご本尊よりも小さいサイズの位牌を選びましょう。
すでにご先祖様の位牌が安置されている場合は、それと同じくらいか少し小さいサイズを選びます。お子様の位牌を作るときは、小ぶりなサイズを選ぶのが一般的です。
デザイン
位牌の値段を決定する3つ目の要素は、デザインです。装飾や彫刻が複雑になるほど製造が難しくなるため、価格は高くなります。
位牌にはさまざまなデザインのものがあり、宗派や性別に関係なく自由にお選びいただけます。位牌は故人を象徴する存在なので、その方らしいデザインを選びましょう。
製造工程
位牌の値段を決定する4つ目の要素は、製造工程です。塗り・研ぎ・磨きといった複数の工程を経て、手間暇かけて作られた位牌は値段が高くなります。
例えば、塗りと磨きを何度も繰り返して仕上げる「呂色仕上げ」の位牌や、職人がひとつひとつ手塗りで仕上げる「極上仕上げ」は、手間がかかっているため価格も上がります。
位牌の種類別でみる値段相場
位牌の値段相場は、種類によって異なります。
ここでは、代表的な位牌の種類と価格の目安を紹介します。
塗り位牌
塗り位牌は、白木に漆を塗り重ねて、金箔や蒔絵などの加飾を施した高級感のある位牌です。
塗り位牌の価格は、使われている漆の種類や金箔の品質、工程数、彫刻の緻密さに左右されます。使用する素材が高級で工程数が多いほど、金額は上がっていきます。
相場は、2万~8万円程度です。会津位牌の呂色仕上げや極上仕上げなどの高級品の場合、10万円以上の値段のものもあります。
【仕上げの違いについて】
塗り仕上げ
艶がないマットな仕上がりの位牌です。製作工程は上塗仕上げと同じですが、最後の上塗り(うわぬり)で艶消しに仕上げます。
- 木地加工
- 下地塗り+磨き上げ
- 下地塗り+磨き上げ
- 下塗り+磨き上げ
- 中塗り+磨き上げ
- 上塗り(艶なし)
上塗り仕上げ
美しい鏡面のような質感の位牌です。塗り上げたままで鏡面を表現するため、塗り仕上げよりも最後の上塗り(うわぬり)に手間ひまがかかります。
- 木地加工
- 下地塗り+磨き上げ
- 下地塗り+磨き上げ
- 下塗り+磨き上げ
- 中塗り+磨き上げ
- 上塗り
呂色仕上げ
塗りと磨きの工程を何度も繰り返して塗面を平滑にし、深く艶やかな光沢を出す伝統技法で仕上げた位牌です。わずかな塵の付着も許さない、気品のある輝きを放つ仕上がりです。
- 木地加工
- 下地塗り+磨き上げ
- 下地塗り+磨き上げ
- 下地塗り+磨き上げ
- 下塗り+磨き上げ
- 中塗り+磨き上げ
- 上塗り
- 荒磨き仕上げ
- 仕上げ磨き
- 艶出し仕上げ
- 最終磨き上げ
極上仕上げ
伝統工芸士が漆を丹念に塗り重ね仕上げる極上の位牌です。本漆を刷毛を使って手塗りで仕上げていきます。塗面にふっくらと厚みを感じる、やわらかな光沢が美しい逸品です。
- 木地加工
- 下地塗り+磨き上げ
- 下地塗り+磨き上げ
- 下地塗り+磨き上げ
- 下地塗り+磨き上げ
- さび付け+磨き上げ
- 墨付け+磨き上げ
- 下塗り+磨き上げ(伝統工芸士)
- 中塗り+磨き上げ(伝統工芸士)
- 上塗り+磨き上げ(伝統工芸士)
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唐木位牌
唐木位牌は、希少価値の高い銘木を使用した、木目・素材の美しさが際立つ位牌です。
唐木位牌は黒檀や紫檀などを使用して作られており、木材のグレードによって位牌の金額は変わってきます。価格の相場は、2万~8万円程度です。表面に透き漆が塗られている位牌はウレタン塗装の位牌に比べて金額が高くなる傾向にあります。
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モダン位牌
モダン位牌は、洋室やリビングになじむモダン仏壇・家具調仏壇に飾っても違和感のない、デザイン性の高い位牌です。クリスタルやガラスなど木材以外の素材を使用したものも多く、伝統にとらわれない形が特徴的で、価格帯もさまざまです。
モダン位牌の相場は3万~8万円程度ですが、蒔絵と銀箔を散りばめた上から塗りを重ねる高度な技法で仕上げた位牌など20万円を超えるものもあります。
おすすめ商品
回出位牌(繰出位牌)
回出位牌(繰出位牌)は、10枚ほどの札板をまとめて収納できる位牌です。仏壇に位牌を収納しきれない場合や、ご先祖様の位牌をまとめたいときなどに向いています。
回出位牌(繰出位牌)の中でも、唐木位牌・塗り位牌・モダン位牌の種類に分かれており、それぞれ素材や品質によって価格帯が異なります。相場は、おおよそ3万~10万円程度を目安に考えておくとよいでしょう。
位牌の購入時は価格の比較が重要
故人の霊魂が宿りご遺族の心の拠り所となる位牌を購入するときは、しっかりと価格を比較したうえで選びましょう。
同じ位牌でも、使用している素材やサイズ、デザイン、製造工程によって価格が大幅に変わります。あまりにも安い位牌は、品質や耐久性が低い可能性があります。当然、見た目や仕上がりも価格に影響されるので、価格と品質のバランスがよいものを手に取ることを意識しましょう。
安心して使用できる位牌を購入するなら、信頼できる仏具店に相談することがおすすめです。店員が親身になって話を聞いてくれるお店、何年経ってもアフターサービスを提供してくれるお店であれば安心です。また、仏具に関する専門的な知識を持った「仏事コーディネーター」の資格保有者がいるかどうかも、確認しておくとよいでしょう。
位牌の値段によくあるQ&A
最後に、位牌の値段に関するよくある質問にお答えします。
位牌の戒名入れの値段はいくら?
位牌を購入するときは、「戒名・没年月日・俗名・没年齢」を文字入れする必要があります。戒名入れは別料金になっていることが一般的なので、そのことを念頭に置いて位牌の予算を決めましょう。
戒名入れは、3,000円~1万円程度が相場です。
滝田商店では、一名様分3,300円(税込)で承っております。戒名入れには、機械で戒名を彫刻する「機械彫り」と、漆で手書きした文字に金粉を蒔きつける「手書き」の2種類ありますが、どちらも料金は同じです。
位牌以外に必要な費用はある?
位牌が完成したら、故人の霊魂を位牌に宿らせるための「開眼供養(開眼法要)」を行います。この儀式を行ってはじめて、位牌が故人の魂が宿る拠り所となります。
開眼供養は、四十九日法要のときに菩提寺の住職へ依頼することが一般的です。その際に、お布施やお車代、お膳料を納めることになります。
地域やお寺によって金額は異なりますが、開眼供養のみの場合は1万~3万円ほどが目安です。不安な場合は、菩提寺に直接相談してみましょう。
まとめ
位牌にはさまざまな種類・デザインのものがあり、使用している素材や大きさ、製造にかかる手間によって金額が異なります。
大切なのは故人を偲ぶ気持ちなので、どのような価格帯の位牌を選んでも問題ありません。しかし、位牌と安心して長くお付き合いするためにも、価格と品質のバランスがよいものを選ぶことが大切です。
東京浅草の仏壇屋 滝田商店では、高品質な位牌を豊富に取りそろえております。仏事コーディネーターがいつでも無料でご相談を承っていますので、位牌選びで疑問をお持ちの方はお気軽にご相談ください。
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