唐木仏壇の魅力と選び方｜伝統と職人技が生み出す逸品

唐木仏壇（からきぶつだん）とは紫檀や黒檀などの高級輸入銘木を使用して作られた仏壇のことです。美しい木目を活かした荘厳な雰囲気が特徴的で、温かみのある伝統的な仏壇をお求めの方におすすめです。

本記事では、東京浅草にある滝田商店が唐木仏壇の魅力と選び方を紹介していきます。ぜひ、仏壇を選ぶときの基礎知識としてお役立てください。

唐木仏壇とは？

唐木仏壇とは、希少性の高い銘木を使用して作られた仏壇の総称です。黒檀（こくたん）や紫檀（したん）などの海外の銘木を使用したものや、欅（けやき）や桑（くわ）、屋久杉などの国内の銘木を使用したものがあります。

唐木仏壇にはどんな歴史があり、どのような特徴があるのでしょうか。まずは、唐木仏壇の基本的な知識から押さえていきましょう。

そもそも仏壇の始まりは、飛鳥時代頃だとされています。第40代天皇である天武天皇が「諸国の家毎に仏舎（ほとけのおおとの）を作り、乃ち仏像（ほとけのみかた）及び経を置きて以て礼拝供養せよ」との詔を出したことがきっかけだといわれています。

一般の家庭に仏壇が普及したのは、江戸時代でした。当時禁教だったキリスト教徒ではなく、仏教徒であることを証明するために、自宅に仏壇を安置することをある程度義務付けられたのです。

その後、黒檀や紫檀などを使用した唐木仏壇が登場し、浄土真宗以外の宗派では唐木仏壇を使うことが一般的になっていきました。

なお唐木仏壇という名称は、中国が「唐」と呼ばれていたころ、唐の商人が黒檀や紫檀などを日本へ向けて輸出していたことが起源だとされています。唐から輸入した銘木を使用しているため、「唐」という文字が含まれているのです。

唐木仏壇の魅力は、職人技が光る美しいデザインです。1基の仏壇のために作られる部材は200にも及ぶといわれており、職人が熟練の技を活かして製材や彫刻細工、塗装などを行っています。

銘木の木目はもちろん、丁寧で伝統的な装飾が品のある美しさを演出し、仏間を特別な空間に仕上げてくれます。唐木仏壇は、高級感のある仏壇をご希望の方、和室の仏間をお持ちの方におすすめの仏壇です。

東京都や埼玉県で製造される唐木仏壇です。東京唐木仏壇は、江戸指物師が仕事の合間に、﨔や桑などで、比較的あっさりとした飾りの少ない仏壇を作ったのが始まりとされています。昭和57年に、東京都知事から伝統工芸品の指定を受けました。

黒檀仏壇とは、世界三大唐木と呼ばれる貴重な高級素材「黒檀」を使用した仏壇です。唐木仏壇と聞くと黒檀仏壇を思い浮かべる方もいるほど、唐木仏壇の代表的な種類のひとつだとされています。

ここからは、黒檀仏壇の魅力や他の木材との違いを解説します。

唐木仏壇の材料は、黒檀以外にもいくつかあります。

黒檀と他の木材の特徴を表にまとめましたので、ぜひご自身に合った唐木仏壇の材料を探す際にお役立てください。

材料名	特徴	主な原産地
黒檀	・黒地に木目模様・緻密で堅く、耐久性が高い	インドネシアなど
紫檀	・暗紫紅色・緻密で堅く、耐久性が高い	タイ、ベトナム、ラオスなど
鉄刀木（タガヤサン）	・濃褐色〜黒褐色・重くて堅く、「タガヤ目」と呼ばれる美しい紋様を持つ	タイ、インド、ミャンマー、インドネシアなど
欅（ケヤキ）	・明瞭で美しい木目・強度があり耐久性がある	日本
桑（くわ）	・年輪が緻密で美しい木目・銘木として使える木は、伊豆諸島で産出される「島桑」	日本
屋久杉	・明るく独特の木目を持つ・軽くやわらかめで、細かい彫刻に向いている	日本